お久しぶりでございます。雨が多く涼しい日の多かった今夏ですが、皆様はどんな夏を過ごされましたでしょうか。
ここ最近、スマホでwebを見ていると、赤ちゃんや小さい子供が悲惨な目に遭っているという、なかなかメンタルに来る内容の漫画を表示させた携帯漫画サイトの広告が頻繁に目について仕方ない今日このごろ、皆様いかがお過ごしでしょうか。ちゃずむです(挨拶)。
実を言うと出産から先日のプレリ以来、約半年間ろくにマジックができていませんが、自分なりにイベント結果などを追っていたり、世界選手権の出場者で全選手入場のコピペ改変ネタとか考えていたものの、何人かのネタがひり出せず結局作れずじまいだったり、監督官 になってたりしてました。
そんなわけで、久々の事前情報記事、書かせていただきます。
ミルウォーキーは、合衆国中西部最北にあるウィスコンシン州は最大の都市であり、かの名作アニメ『あらいぐまラスカル』の舞台にもなっています。
日本からは現地への直通便がないので、シカゴもしくはデトロイトの空港を経由して行くことになります。特にシカゴからだと車で2時間ほど走れば到着する程度には近いらしく、シカゴからは鉄道や都市間バスを利用して行くことも可能だとか。
工業は醸造、食品、小麦生産などが盛んで、小麦に関しては世界規模の集積地・積出港でもあります。札幌・ミュンヘンと並ぶ世界三大ビール生産地として知られており、ビールクズ歓喜の土地でございます。あと全バイカー憧れのハーレーダビッドソンの本社があります。まあそれはどうでもいいですね。
主だった観光地は、斬新なデザインの外観が印象的なミルウォーキー美術館のみですが、プロスポーツチームの本拠地が結構あるようなので 、その手のファンにとってはテンションが上がるかもネ。
んで、過去にミルウォーキーで行われたプレミアイベントは、2002年5月に行われたスタンダードのグランプリのみ。
この大会のメタゲームとしては、サイカトグが最大勢力となっており、マッドネスをふんだんに利用したティムールカラーのテンポデッキが対抗馬、続いて《ゴブリンの塹壕Goblin Trenches》をエンドカードに据えたコントロールデッキのトレンチ、黒単コントロールと続いております。
で、二日間でなんやかんやあった結果、トレンチを操るエリック・テイラーが優勝。
左のおっさんが優勝者のエリック・テイラー。マジックのコラムニストとして活躍してます。
ついでにベスト8も半数が後の殿堂プレイヤーと濃ゆい面々。
ちなみのこのトレンチ、元々インベイジョンブロック構築のデッキで故石田格氏が組んだものですが、当時のスタンダードを始め、エクステ ンデット、果てはレガシーでも使われ、しかも成績を残すという非常に優れたアーキタイプだったりもします。
意外にもベスト4に(チャピンとチュリアンが凄いという見方もあるものの)メタの中心から少々外れていたリス対立が際立った活躍を魅せており、ジェンセンおじちゃんのバベルが見事なオチ(?)をつけてくれたトーナメントでございました。
さて、発売前から色々話題のあった『戦乱のゼンディカー』ですが、今回もメカニズムのひとつに土地が選ばれており、更に特別なアートのレアな土地も封入されているので、特殊地形好きなプレイヤー歓喜です。是非引き当ててお友達に自慢しましょう。
そしていたいけな子供達相手にシャークをかますのは絶対にやめましょう。
今回は暇だったので、最初に本セットに登場する登場人物・重要人物をざっくりご紹介します。興味のない方は飛ばして頂いて結構です。
大昔に旧世代のプレインズウォーカー達がエルドラージを封印したものの、事情を知らない新世代プレインズウォーカー達が封印を解いたばっかりに、エルドラージが復活し、ゼンディカーは大混乱。
そんな阿鼻叫喚のゼンディカーにたまたま居たギデオン・ジュラは、元々チャンドラのケツを追っかけていたけど、せっかくだからと言わんばかりに事態を収拾させるため、ラヴニカからジェイスをサイコロの旅に連れてきて、とりあえず居たウラモグをはじめとするエルドラージ達を相手に頑張るお話です。
◆ギデオン・ジュラ
どーも ウラモグさん 知ってるでしょ?
ギデオン・ジュラでございます おいパイ食わねぇか
復活しちゃったエルドラージにパイ面晶体をお見舞いするために奮闘する本作の主人公。
出たての頃はコミカライズ版とカードイラストのビジュアルの乖離が激しすぎたため、ファンを困惑させた。
でもコミカライズ版のビジュアルの方が、原作である小説版の外見イメージの再現度が高い。
◆ジェイス・ベレレン
リリアナ・ヴェス「ジェイスは今日帰って来ませんよ。また ゼンディカーですって…」
ラル・ザレック「またゼンディカーか…」
ギルドパクトとなって日夜デスクワークをこなすマント野郎。エルドラージ復活の原因のうちの一人。
足場の不安定なゼンディカーでフリーランニングをするハメになり、元々運動は得意ではないのに、日頃の運動不足が祟って大変らしい。
◆ニッサ・レヴェイン
ゼンディカーで我々は今からこの道端でナメクジを喰うって言ってるんだ
エルドラージ復活の原因のうちの一人なんだゾ☆今はゼンディカーに残ってエルドラージ相手に戦ってるんだゾ☆
出たての頃はエルフ至上主義のレイシストもどき扱いされて海外のヴォーソスからは評判が悪かったらしいんだゾ☆
◆キオーラ
任天堂を倒す方法エルドラージを倒すための手段(てゆーかエルドラージに対抗できるような生物)を得るため、テーロスへポケモンゲット旅に出ていたマーフォーク。
無事お供も見つかった上にタッサの得物まで分捕ってホクホクでゼンディカーに帰還なう。
◆オブ・ニクシリス
鎖のヴェールの呪いで「うわぁ~、おれデーモンになっちゃったよう」デビルマン化してしまい、どうにかならんものかと手を打つべくゼンディカーにたどり着いたら某石術師に「ハッピーバースデイ、デビルマン!」面晶体をお見舞いされてしまい、プレインズウォーカーとしての能力が使えなくなってしまう。
現在はなんやかんやあった結果プレインズウォーカーの能力が復活したらしく大喜び。
◆ナヒリ
面晶体の作者。エルドラージ封印直後は自宅警備員現地の守護者として頑張っていたけど、気がついたらエルドラージが神扱いされてしまい絶賛どうしてこうなった状態。
エルドラージに対して手を打つためにゼンディカーを出奔。現在所在不明。
◆ウギン
ジェイス「もうエルドラージ倒しましょう、とにかく。」
ウギン「当たり前だよ、当たり前だっつの。」
エルドラージの封印を手引をしたドラゴン。
タルキールでは某龍師範にお見舞いされていたけれど、今回はエルドラージへお見舞いする側になった。
◆ソリン・マルコフ
闇の心(笑)。今まで色んな所に顔は出してるけど、これといった活躍はしてないのでファンからはあんた何しに来たのと言われる始末。
今回はナヒリの所在に心当たりはあるけど、ウギンから何も手を打ってないと判断されてしまい説教を喰らった。
※もっと詳しく知りたい人は若月先生の記事をじっくり読むことをおすすめします!
今回はテーロスブロックがスタン落ちとなり、恒例の新環境プロツアーです。
本セットも旦那が背後で「また塩セットだよ」とかぬかしてますが、気にせずメカニズムから紹介していきます。
ゼンディカーサイドのメカニズムがひとつ。旧ゼンディカーでも活躍したあの能力が帰ってきました。
能力も旧ゼンよりバリエーション豊かになっておりますが、残念ながら今回のコモン・アンコモン帯に構築環境で活躍できるカードが少ないのは悲しいですね 。
リミテッドだと強いのは結構あるんだけどねぇ…。
読み方は「しゅうれん」。かつてフィフスドーンにあった烈日のリメイク能力でございます。
カードのマナコストを支払う際、マナを何色使ったかによって効果が変化します。
例えば、コストが(2)(赤)である《光輝の炎》を唱える際に、(赤)(赤)(白)でマナを支払うと、支払ったマナの色は2色なので、各クリーチャーに与えるダメージは2点。となるわけですね。
収斂持ちの中で個人的に一番の注目カードである《白日の下に》は、コンボ系デッキで色々悪さが出来そうです。重いけど。
覚醒コストを支払ってカードを唱えると、土地がクリーチャーに変化する効果なので、クリーチャーが実質一体増えてお得感が半端ないです。
『覚醒』するクリーチャーのサイズはコストの追加分とほぼ比例するため、出来ることならマナを十分貯めてからの使用が望ましいですが、覚醒するために勿体ぶりすぎてカードを使うタイミングを逃したり、肝心の土地がタップ状態でクリーチャー化したり、さらに返しのターンで除去られて貴重な土地を失うといった微妙に悲しくなるといったこともあるのでご利用は計画的にどうぞ。
同盟者クリーチャーの大半が有している能力です。旧ゼンディカーでも登場していた『同盟者が出るたびに○○する』という効果をキーワード化しています。
とはいえ、構築クラスの同盟者がちょっと…、まぁ、うん…。
エルドラージサイドの能力がひとつ。読みは「けっしょく」。
これを持つ呪文やクリーチャーはどの領域でも無職無色のカードとして扱われます。
単純ですが、結構失念しやすいかもしれません。え、お前と一緒にするなって?失礼しました。
読み方は「えんげ」。意味は口の中の食べ物を飲み下すこと。
嚥下持ちがプレイヤーに戦闘ダメージを与えたら、そのプレイヤーはライブラリーの一番上のカードを追放しなければなりません。
能力だけで見ると弱そうでもないように思えますし、実際強そうでもないんですが、ドロー操作として占術がある現在の構築環境だと、ライブラリーの一番上に残しておいたカードを持って行かれかねないため、安易に占術を行ったり、ドロー操作を使ったりしないように注意が必要です。
追放領域にある対戦相手がオーナーであるカードを墓地に送ることで効果を発揮させるエルドラージ特有のクリーチャー・タイプの一つです 。
嚥下持ちクリーチャーなどと併用して運用していくのが常套手段となりますが、挙動が若干悠長に見えるのが気になるところです。
せっかくハネたカードが墓地に戻るのもなんかアレだし。
続いてこれらを踏まえて現在活躍しているアーキタイプが新環境でのPTでどうなるかを考えたいと思います。
除去とクリーチャーに恵まれたこのアーキタイプは、《英雄の破滅Hero's Downfall》を始めとしたテーロスブロックの強力なカードが落ちるものの、《破滅の道》や《ギデオン》、《ドラーナ》など何らかの形で代替のカードはあるため、デッキパワーの低下は許容範囲内という評価を下す人もいらっしゃると思いますが、問題なのはマナベース。
便利な対抗色の2色土地、《ヨーグモスの墳墓、アーボーグUrborg, Tomb of Yawgmoth》が退場してしまうので土地の配分に頭を悩ませるハメになると思われます。とはいえ、対抗色のペインランドがオリジンに残り、戦ゼンでは新しく対抗色のミシュラランドが収録されているからそこまで困ることも…、あれ、緑黒のミシュラランドが無いよ…?
おなじみカンフーテイストのトリコロールデッキ。
ジェスカイは、今回のローテーションで優秀な火力(《稲妻の一撃Lightning Strike》《かき立てる炎Stoke the Flames》)と、強力なクリーチャー(《ゴブリンの熟練扇動者Goblin Rabblemaster》《雷口のヘルカイトThundermaw Hellkite》《嵐の息吹のドラゴンStormbreath Dragon》)が揃って退場するため、悲しいかなデッキパワーの低下は免れられません。
特に、クリーチャーに関してはポスト《嵐の息吹のドラゴンStormbreath Dragon》が《雷破の執政Thunderbreak Regent》と《強欲なドラゴンAvaricious Dragon》の2体とどこか頼りなさげ。
一方のジェスカイトークンについては残った火力に難があるものの、スタン落ちの影響はごく軽微ですが、隆盛コンボは、コンボパーツの一部とマナクリーチャーがテーロスブロックのカードなので、コンボの安定性がぐっと落ちています。
シルムガルやオジュタイをメインアタッカーに据えたコントロールデッキは、《英雄の破滅Hero's Downfall》と《思考囲いThoughtseize》の退場によりデッキパワーに影響が。代替のカードはとりあえずあるのですが、悲しいかな《破滅の道》のカードタイプはソーサリー。
また、覚醒能力の効果が期待できるのがこの手のアーキタイプなのですが、それらの呪文が活躍できるのかも個人的には気になるところでございます。
ひとまず、駆け足ではございましたが、以上がローテーションによりデッキが生き残り、かつ、プロツアーで活躍しそうな既存のアーキタイプの紹介となります。ちなみに最後の奴は完全に悪ふざけです。ごめんなさい。
真っ先に目に付くのが、《英雄の破滅Hero's Downfall》《嵐の息吹のドラゴンStormbreath Dragon》《太陽の勇者、エルズペスElspeth, Sun's Champion》といった主力カードの退場。
代替のカードはあるんですが、ひとまずの感想としてはやっぱりそれじゃ物足りないよって感じ。
目ぼしいデカブツが少ないので、クリーチャーで殴るようなタイプのデッキにとってはよろしくないセットではありますが、コントロール系デッキを使う人にとっては、色々試行錯誤ができそうな感じで嬉しいセットかもしれません。
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ちゃずむ (月曜日, 05 10月 2015 18:00)
えー、わたくしひとつ重大なミスをしでかしております。
過去イベントの紹介で、ミルウォーキーであったプレミアイベントは2002年のGPだけと書かれておりますが、1994年にも第1回目の世界選手権が行われていました。
むしろこっちの方がマジックの歴史的には非常に重要なイベントでした。
記事をご覧の皆様にはご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。