どうも、こちらでは初めまして。僕は、通称「くま」と呼ばれている神奈川のプレイヤーです。かつて、晴れる屋の「初代モダン神」でした、と言った方が通りが良いかもしれませんね。今は通り名が一人歩きして「バーン神」とか呼ばれているようです。
そして、無謀にも初めてのレガシー公式戦が、何とGP京都(笑)。直前調整0、実戦0で突撃するという、「先週までPPTQ行脚していて、お前レガシーやる気全くないだろ!むしろグリーン車の格安券押さえて、観光スポットとグルメ調べまくりで、完全に『そうだ、京都行こう』的な状態」。果たしてどこまでの結果が残せたのか!
そんなこんなで超!久々にレポートを書かせていただいたわけですが、かつてカバレージライターをしていたとはいえ、本格的に考察記事を書くのは数年ぶりなので、乱筆乱文はなにとぞご容赦下さい。レガシーGP後のレガシー記事にしばしお付き合いくださいませ。
さて、気になるデッキですが、ここまでの自己紹介でほぼネタバレしていますね。
はい、赤単バーンです。
Red Deck Wins
Played by Yukio Kozakai
10《山/Mountain》
3 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
3 《乾燥台地/Arid Mesa》
2 《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
2 《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
4 《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》
4 《ゴブリンの先達/Goblin Guide》
1 《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》
4 《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel》
4 《Chain Lightning》
4 《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
3 《二股の稲妻/Forked Lightning》
4 《発展の代価/Price of Progress》
4 《裂け目の稲妻/Rift Bolt》
4 《火炎破/Fireblast》
サイド
3 《罠の橋/Ensnaring Bridge》
3 《墓掘りの檻/Grafdigger's Cage》
3 《粉々/Smash to Smithereens》
2 《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》
2 《紅蓮破/Pyroblast》
2 《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》
元になっているのは、4月のスターシティーのレガシーで7位と14位に入っていたバーンです。とはいえ、レガシーのバーンは基本的には2枚落ちのデッキという評価かつ、デッキによるパーツの差異は、投入するクリーチャーの出し入れ(《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》のメイン採用枚数等)と、メインに《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》を採用するかどうかぐらいだと思います。
僕のデッキの大きな違いは、多くのレシピで《焼尽の猛火/Searing Blaze》が採用されている部分が《二股の稲妻/Forked Bolt》に変わっている点です。
僕の赤単構築理論に「近い効果が得られるなら2マナよりも1マナ」というものがあります。また、赤単が1ゲームで引く土地の理想的な枚数はゲーム中3枚までと考えています。
3マナで唱える事が出来る回数は、
・2マナの呪文では1回きり
・1マナの呪文では3回
と手数に3倍の開きが出るので、2マナのカードを増やす事は、ゲームが終わるまでに唱える事が出来ないカードを増えす事に繋がります。レガシーは開幕数ターンで勝敗が決まる事が多く、そもそも実際にはスムーズに土地が3枚並ぶことも少ないので、こういったマリガン基準を緩められるカードを増やすことも重要です。
土地が1枚しか無い初手をキープをすることも多い(土地1枚引けばほぼ勝ちのハンド)赤単では勝敗に直結します。実際、今回この《二股の稲妻/Forked Bolt》が大活躍するのはこの後のマッチレポをご参照ください。
モダン神インタビュー
(http://www.hareruyamtg.com/article/category/detail/660)
以上です。
……と、いうと石を投げられそうなので一応お話をしますと、既出ですが僕の赤単の構築理論と使用理由は以下の通り。
・モダン、スタンダードで使い慣れている
・ゆえに、平日忙しい社会人の自分向き
・多少効果に差はあっても、2マナよりも1マナの呪文で固める
レガシーにおける赤単の立ち位置が、モダンにおけるそれと大きく異なる原因は、ショックランド(※1)分のダメージが入らないため、ダメージによる勝利を狙うデッキのキルターン(※2)が遅くなる点です。言い換えればバーンは、猛威をふるっているオムニテル(※3)などの高速コンボデッキのキルターンに根本的に追いついていない為、環境的に不利だと言えます。
やる気が無いながらもさすがに直前の晩にデッキを組み上げて、ホテルで同部屋のマンモスさん(GP北九州09チャンプの石井氏)のスニークショーとスパー。懸念の通り、あまりの負けっぷりにサッサと畳んで早めに床につくレベル。これは当初の予定通り観光待ったなし!(笑)
しかし、結果的にはこの早寝とスリープインを含めた充分な睡眠が、「竹槍デッキ」の赤単に奇跡を起こすとは、この時誰も思いもしなかったのです(フラグ
※1:《草むした墓/Overgrown Tomb》など、場にアンタップ状態で出す際に2点のダメージを受ける土地の事。
※2:そのデッキがゲームに勝利するまでに必要なターン数、あるいは想定ターン数。デッキ相性を考える上で重要な考え方。
※3:《全知/Omniscience》を《実物提示教育/Show and Tell》で高速に場に出して、複数のドロー操作を駆使して勝利を目指すコンボデッキ
・1回戦 Bye
・2回戦 Bye
・3回戦 RUGデルバー ○○(3-0)
メインに3枚採用した《二股の稲妻/Forked Bolt》が火を噴き、危なげなく2タテ
・4回戦 オムニテル ○×○(4-0)
1本目は後手ながらも相手が有効牌引かずで間に合い、2本目はしっかり3キルされる。
3本目は相手ダブマリもこっちも展開悪くgdgdになるも、手数で押し切る。
・5回戦 BUGデルバー ○○(5-0)
やっぱり《二股の稲妻/Forked Bolt》が刺さりまくり、さらにサイドからのラバマンサー増量で完封。
・6回戦 エルフ ○○(6-0)
さっきと同じ。2本目は相手先手の分少々押されるも、キッチリ削り切る。
……あれよあれよと全勝街道まっしぐら。3敗するまでやると考えると、どうやっても9ラウンド戦うことが確定したので、気が付けば観光に行く時間ががががが
・7回戦 青白+赤Miracle ×○×(6-1)
人生初のGPビデオマッチがまさかレガシーになろうとは!
敗れはしたものの、赤単の矜持を示した「バーン神」らしい戦いは見せられたと思います。
http://live.nicovideo.jp/watch/lv216710139
(こちらの8:04:20あたりから)
・8回戦 青白石鍛冶 ○×○(7-1)
この辺りから記憶があいまいですが、先手番で勝ち、後手番で負けるわかりやすい展開。
サイド戦以降は大歓楽で結構楽にゲームを進められたのが印象的。
これで初日突破確定。静岡に続いてGP2連続Day2。
・9回戦 オムニテル ○○(8-1)
4回戦以降避け続けていたオムニとマッチアップ。あー、これで2敗かーと思ったらダイスも負けて後手スタート。気分が落ちるとよくないね。
が、今日は何かが違っていたらしく、相手が青マナ1個しか引かなかったりこっちがドブンだったりで2タテ。
今日オムニに2勝。勝ちに不思議な勝ちありとは良く言ったものの、理由としては向こうは最速2キルもあり得る反面安定しない時もあり、エムラクール直接アクセスの場合、返しに焼けたりと、「運が良ければ3キル・マグロ相手なら確定4キル」の赤バーンをミスなく使いこなせれば、間に合う時もある。ということでしょうか。レガシーの経験値が少ないのでわかりませんが、実際そんな感じでした。ピッタリ手札を使い切って削り切るゲームがほとんどでしたし。ここら辺は、レガシーの経験値をバーンの経験値が上回ったと言えるのでしょう。
あと、ミスが少なかった(ほぼ無かった)のは、十分な睡眠のおかげです。睡眠大事(フラグ回収
望外の8-1で暫定8位(分割の為)で折り返し。
・10回戦 緑白黒DD ○×○(9-1)
1本目に相手がほぼ土地を置くだけで負け、何だかわからないうちに始まった2本目に速攻マリッドレイジを決められ、《暗黒の深部/Dark Depths》《演劇の舞台/Thespian's Stage》とのコンボを知らなかったアタクシは対戦相手に1から説明してもらって畳む(笑)。
3本目は大歓楽でフタしながら終始押して戦って勝ち。
・11回戦 BUGデルバー ○×○(10-1)
ベスト8に残ったデルバー。1-1で迎えた3本目の終盤、相手のダメージクロックが致死量の中、最後のライフ4点をWillあったら負けでマナ払いながら《火炎破/Fireblast》打ったら通って勝ち。手札に《呪文貫き/Spell Pierce》あったっぽく、マナ浮かせてなかったら負けてた。基本動作だけど大事。
・12回戦 エルフ ○×○(11-1)
このGP5回目の「まさかこのラインにバーンがいるなんて……」の嗚咽。正直「警戒されていないバーン」を使う感覚は第1回モダン神決定戦以来なので(以降、スタンもモダンも赤単はずっと一線級なので)賞賛に聞こえました。相手先手の2本目は最速で《孔蹄のビヒモス/Craterhoof Behemoth》を決められてやられるも、先手が戻った3本目は完封。
ここまでで暫定3位。あと1-1-1でTOP8ラインとなり、さすがに無欲のくまさん(※4)に欲が出てきた、その時じゃった……
・13回戦 Mentor相殺 ××(11-2)
準優勝の村上氏。初日もやられた《相殺/Counterbalance》。ホント相殺だけはダメ。サイドに《墓掘りの檻/Grafdigger's Cage》じゃなく《紅蓮破/Pyroblast》を増やしていれば…。ホントそれ。
しかし、まだ23歳だったのか。結構昔からGPとかで見ている顔なので、もっと歳近いかと思ってた(←失礼)。
・14回戦 オムニテル ○××(11-3)
1本目、相手事故に乗じて焼き切るも、2本目は2点、3本目は1点足らずにコンボ回って負け。1点の大事さと思い知ったと共に、SSS出てた「はまさん(はま屋オーナー)」が観戦に没頭して開始時間に間に合わずドロップする程度には良い試合だった模様。ミスも無かったようなので、純粋に1点足らんかった……。
ざんねん、くまさんのぐらんぷりはここでおわってしまった!
・15回戦 デスタク(義くん)○○(12-3)
最終戦は、33ポイントのOpp1位2位対決。よりによって、LMC勢の岩出家家主(笑)。(※5)
「どこでLMCやってるんだよ~(笑)」とお互い指を差し合うも、冷静に順位計算をし、IDすると2人ともベスト32落ちがあり、負けてもベスト64に残ることからガチることに。
義くんが終始地主になったこともあり、勝ち。
※4:当日まで『神が防衛戦したら5万円もらえる』事を知らずにモダン神にのぼりつめた事に由来。
※5:GP名古屋チャンプを輩出した千葉を根城としたグループのボス。(義くんのレポートもお待ちしております!by LMC公式)
最終14位。初めてのレガシー公式戦のGP京都はマネーフィニッシュという結果で終えることが出来ました。グランプリでもここまで上位で終盤まで戦ったことが無かったので、良い経験になりました。
練習していたらもっと勝てていたかと聞かれれば、練習してレガシー経験値を上げていたら多分赤単は畳んでいたと思います(笑)。実際、多くのプレイヤーが赤単を諦めたという話をしていました。
そのくらいほぼ全てのマッチが不利でしたし、赤単の経験値と《二股の稲妻/Forked Bolt》と《火炎破/Fireblast》の打ち時で、細い勝ち筋を導き出していったというのが真相でした。でも「好きなデッキを使ってそれをお披露目し合う」というレガシーのコンセプトの中で、それは果たせたかな。そして楽しかったな、と。
残念ながら当初もくろんでいた京都観光は全く出来ずじまいでしたが、「未知のレガシー界」を2日がかりで観光して回ったと思えば、それはそれでありと思っています。
またしばらくPPTQ行脚の日々に戻り、《火炎破/Fireblast》《発展の代価/Price of Progress》達はレガシー箱にしまわれることでしょうが、その箱を開ける鍵は、プレイヤーであるならいつでも持っていられる。それがレガシーのいいところなのでしょうね。
では、またお会いするその日まで。
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