前回の記事にひき続いて懲りずに(そして勝手に)プロツアー直前記事を書かせていただきました。お久しぶりです、ちゃずむです。
前回プロツアーでは、うちの旦那はちょっと成績が振るいませんでしたが、2013~2014シーズン最後のプロツアーでどうにかまた一発当てて欲しいと願っております。
そんな今回のお品書きは、プロツアー『Magic2015』。
2012年のプロツアー制度再編以来初めて基本セットがメインに使われ、かつ、基本セットの名前が冠される初めてのプロツアーについてゆるーく語っていこうと思います。
ちなみに今回もちゃずむは仕事の都合で行けません。ファック!!
今回の戦場であるポートランドなる土地ですが、ポートランドがマジックのイベントの会場に選ばるようになったのは2010年と結構最近のことなので、どこやねん?と思う方も多いと思います。ちゃずむもそうでしたし。
まずポートランドは、アメリカ大陸北西海岸部にあるオレゴン州の一都市で、同州最大の都市であります。
温暖な気候を活かしたバラの花の生育が盛んらしく、市内にはバラ園が点在しており、『バラの街』というニックネームもあるのだとか。個人的に見物に行ってみたいですが、バラの花期は大抵晩春から初夏の花種が多いので、プロツアーが開催される今の時期だと見頃を過ぎてしまっているので微妙ですね。
後は、小規模の醸造所と蒸留所が数多く存在しており、お酒の生産やコーヒーの消費も盛んだそうです。コーヒーやビール好きの方は是非楽しんで来てください。
緑豊かな土地が美しいと評判です。
ポートランドで行われたイベントは2010年と2013年の2回でいずれもグランプリ。
ポートランドで初めて行われたグランプリはM11を使用したリミテッド。決勝ドラフトは、黒と青をそれぞれ5人もの人間が使うというなんとも奇妙な卓に。協調とは何だったのか。
当時は黒と青が強かったので、取り合い状態になるのは無理もない話なのだけど。
そんな”仁義なき(?)”ドラフトを制したのは、日本でもお馴染みカルピスマニアのマーティン・ユーザ(ユーザが正しい発音らしいよ!)。決勝戦では美人局な能力を持つ《魅惑するセイレーン/Alluring Siren》と超優秀な飛行クリーチャーである《難題のスフィンクス/Conundrum Sphinx》の2体が猛威を振るい、2タテであっさり優勝した模様。他にもPVやデビット・オチョアといったビッグネームが入賞しており、強い人が順当に勝ち残った、といった印象です。
ドヤァ。
もう一つは2013年。ドラゴンの迷路参入直後にして、PTドラゴンの迷路をわずか一週間後に控えたモダンのGPです。PTラヴニカへの回帰で猛威を振るったサニーサイドアップは《第二の日の出/Second Sunrise》が禁止カード入りしたために勢力を落とし、復活の声を得たメリーラポッドがベスト8に3人入賞という結果に。
優勝はチャネル・ファイアーボール所属のサム・パーディー。カバレージのトップには『It's Pardee Time!』と飾られております。
ダジャレかよ!
カバレージでも少しだけネタになってたみたい。
現環境を支配するのは言わずもがな、黒単信心。
豊富な除去と手札破壊に良質なクリーチャーを擁するこのデッキはすべてのデッキタイプと互角以上に渡り合う事ができる、所謂『手堅い』デッキとなっております。
サンプルデッキ:黒単信心
Standard Daily #7263298 on 2014-07-03
メインデッキ
4 《冒涜の悪魔/Desecration Demon》
4 《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》
4 《夜帷の死霊/Nightveil Specter》
4 《群れネズミ/Pack Rat》
2 《強迫/Duress》
4 《思考囲い/Thoughtseize》
3 《胆汁病/Bile Blight》
2 《肉貪り/Devour Flesh》
4 《英雄の破滅/Hero's Downfall》
4 《地下世界の人脈/Underworld Connections》
4 《変わり谷/Mutavault》
21 《沼/Swamp》
サイドボード
1 《肉貪り/Devour Flesh》
2 《強迫/Duress》
2 《破滅の刃/Doom Blade》
2 《悲哀まみれ/Drown in Sorrow》
2 《死者の神、エレボス/Erebos, God of the Dead》
4 《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》
2 《ファリカの療法/Pharika's Cure》
最近では緑を混ぜることで黒が苦手とするエンチャントやアーティファクトへの対応力を上げたバージョンが成績を残しておりますが、
サンプルデッキ:緑タッチバージョン
Standard Daily #7242086 on 2014-07-02
メインデッキ
4 《冒涜の悪魔/Desecration Demon》
4 《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》
4 《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》
4 《群れネズミ/Pack Rat》
4 《思考囲い/Thoughtseize》
2 《突然の衰微/Abrupt Decay》
1 《胆汁病/Bile Blight》
3 《肉貪り/Devour Flesh》
1 《ゴルガリの魔除け/Golgari Charm》
4 《英雄の破滅/Hero's Downfall》
4 《地下世界の人脈/Underworld Connections》
1 《ゴルガリのギルド門/Golgari Guildgate》
1 《マナの合流点/Mana Confluence》
4 《変わり谷/Mutavault》
4 《草むした墓/Overgrown Tomb》
11 《沼/Swamp》
4 《疾病の神殿/Temple of Malady》
サイドボード
1 《突然の衰微/Abrupt Decay》
1 《胆汁病/Bile Blight》
1 《肉貪り/Devour Flesh》
1 《破滅の刃/Doom Blade》
3 《強迫/Duress》
2 《死者の神、エレボス/Erebos, God of the Dead》
3 《ファリカの療法/Pharika's Cure》
1 《究極の価格/Ultimate Price》
1 《見えざる者、ヴラスカ/Vraska the Unseen》
1 《エレボスの鞭/Whip of Erebos》
一時期より数は減ってしまったものの、すさまじい破壊力を持つオルゾフバージョンもいまだ根強く残っております。
サンプルデッキ:白タッチバージョン
Standard Daily #7242086 on 2014-07-02
メインデッキ
2 《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun's Champion》
2 《ヴィズコーパの血男爵/Blood Baron of Vizkopa》
4 《冒涜の悪魔/Desecration Demon》
4 《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》
2 《幽霊議員オブゼダート/Obzedat, Ghost Council》
4 《群れネズミ/Pack Rat》
4 《思考囲い/Thoughtseize》
2 《肉貪り/Devour Flesh》
2 《英雄の破滅/Hero's Downfall》
2 《信者の沈黙/Silence the Believers》
2 《究極の価格/Ultimate Price》
1 《エレボスの鞭/Whip of Erebos》
2 《払拭の光/Banishing Light》
3 《地下世界の人脈/Underworld Connections》
4 《神無き祭殿/Godless Shrine》
1 《マナの合流点/Mana Confluence》
2 《変わり谷/Mutavault》
3 《平地/Plains》
10 《沼/Swamp》
4 《静寂の神殿/Temple of Silence》
サイドボード
1 《払拭の光/Banishing Light》
2 《胆汁病/Bile Blight》
1 《神討ち/Deicide》
2 《破滅の刃/Doom Blade》
2 《悲哀まみれ/Drown in Sorrow》
2 《強迫/Duress》
1 《死者の神、エレボス/Erebos, God of the Dead》
2 《ファリカの療法/Pharika's Cure》
2 《罪の収集者/Sin Collector》
対抗馬としては、神決定戦で優勝をした青白コントロール、そしてジャンドモンスターが黒単デッキの後を追う形となっております。
サンプルデッキ:青白コントロール
Standard Daily #7263353 on 2014-07-04
メインデッキ
1 《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun's Champion》
3 《思考を築く者、ジェイス/Jace, Architect of Thought》
4 《予言/Divination》
4 《至高の評決/Supreme Verdict》
4 《アゾリウスの魔除け/Azorius Charm》
1 《天界のほとばしり/Celestial Flare》
4 《解消/Dissolve》
1 《今わの際/Last Breath》
1 《急かし/Quicken》
4 《スフィンクスの啓示/Sphinx's Revelation》
2 《中略/Syncopate》
1 《不死の霊薬/Elixir of Immortality》
4 《拘留の宝球/Detention Sphere》
3 《アゾリウスのギルド門/Azorius Guildgate》
4 《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
7 《島/Island》
2 《変わり谷/Mutavault》
6 《平地/Plains》
4 《啓蒙の神殿/Temple of Enlightenment》
サイドボード
1 《天界のほとばしり/Celestial Flare》
2 《今わの際/Last Breath》
1 《盲従/Blind Obedience》
1 《神討ち/Deicide》
2 《鬼斬の聖騎士/Fiendslayer Paladin》
2 《反論/Gainsay》
1 《記憶の熟達者、ジェイス/Jace, Memory Adept》
2 《否認/Negate》
2 《漸増爆弾/Ratchet Bomb》
1 《復仇/Reprisal》
サンプルデッキ:ジャンドモンスター
Standard Daily #7263353 on 2014-07-04
メインデッキ
4 《ドムリ・ラーデ/Domri Rade》
3 《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》
4 《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》
4 《エルフの神秘家/Elvish Mystic》
2 《ゴーア族の暴行者/Ghor-Clan Rampager》
4 《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》
2 《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
4 《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》
4 《森の女人像/Sylvan Caryatid》
2 《戦慄掘り/Dreadbore》
1 《ミジウムの迫撃砲/Mizzium Mortars》
1 《ラクドスの復活/Rakdos's Return》
1 《突然の衰微/Abrupt Decay》
1 《ゴルガリの魔除け/Golgari Charm》
3 《血の墓所/Blood Crypt》
4 《森/Forest》
1 《マナの合流点/Mana Confluence》
2 《変わり谷/Mutavault》
4 《草むした墓/Overgrown Tomb》
4 《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
4 《奔放の神殿/Temple of Abandon》
1 《悪意の神殿/Temple of Malice》
サイドボード
1 《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
1 《ゴルガリの魔除け/Golgari Charm》
1 《ミジウムの迫撃砲/Mizzium Mortars》
1 《ラクドスの復活/Rakdos's Return》
2 《破滅の刃/Doom Blade》
3 《霧裂きのハイドラ/Mistcutter Hydra》
3 《ナイレアの信奉者/Nylea's Disciple》
2 《思考囲い/Thoughtseize》
1 《究極の価格/Ultimate Price》
他には赤単デッキが注目株となっており、青単もメタの中心から外れてはいますが、神決定戦ではベスト8に入賞しており、そのポテンシャルはまだまだ健在です。
サンプルデッキ:赤単(バーンタイプ)
Standard Daily #7242058 on 2014-07-01
メインデッキ
4 《チャンドラのフェニックス/Chandra's Phoenix》
4 《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》
4 《ボロスの魔除け/Boros Charm》
4 《稲妻の一撃/Lightning Strike》
4 《マグマの噴流/Magma Jet》
3 《灼熱の血/Searing Blood》
3 《ショック/Shock》
4 《頭蓋割り/Skullcrack》
4 《戦導者のらせん/Warleader's Helix》
3 《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks》
2 《マナの合流点/Mana Confluence》
9 《山/Mountain》
3 《変わり谷/Mutavault》
4 《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
1 《奔放の神殿/Temple of Abandon》
4 《凱旋の神殿/Temple of Triumph》
サイドボード
1 《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks》
4 《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel》
3 《火飲みのサテュロス/Firedrinker Satyr》
1 《力による操縦/Harness by Force》
1 《ミジウムの迫撃砲/Mizzium Mortars》
1 《峰の噴火/Peak Eruption》
3 《サテュロスの火踊り/Satyr Firedancer》
1 《摩耗/損耗/Wear/Tear》
サンプルデッキ:青単信心
Standard Daily #7263353 on 2014-07-04
メインデッキ
4 《雲ヒレの猛禽/Cloudfin Raptor》
4 《凍結燃焼の奇魔/Frostburn Weird》
4 《審判官の使い魔/Judge's Familiar》
4 《波使い/Master of Waves》
4 《夜帷の死霊/Nightveil Specter》
4 《海の神、タッサ/Thassa, God of the Sea》
4 《潮縛りの魔道士/Tidebinder Mage》
1 《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》
3 《急速混成/Rapid Hybridization》
2 《タッサの二叉槍/Bident of Thassa》
1 《家畜化/Domestication》
20 《島/Island》
4 《変わり谷/Mutavault》
1 《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx》
サイドボード
1 《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》
1 《家畜化/Domestication》
1 《豚の呪い/Curse of the Swine》
2 《払拭/Dispel》
2 《解消/Dissolve》
4 《反論/Gainsay》
2 《記憶の熟達者、ジェイス/Jace, Memory Adept》
2 《否認/Negate》
以上が現在のメタゲーム上で活躍している主なデッキとなります。
最多勢力の黒単を使い手堅く勝ちに行くか、敢えて黒単とは異なるデッキを使って黒単を殺しに行くか…。プレイヤー達の選択はどっち!?
そして、PTポートランドのレギュレーションはM15入りスタンダード。
鳴り物入りで登場したガラクを始めとした各種プレインズウォーカーや、『魂』シリーズなどのM15のカードはどういうかたちで活躍するのかはとても気になりますね。
M15のカードが参入したことで、現在のスタンダード環境がどのように変わるのかは、実際にプロツアーで確かめましょう。
(うちの旦那が”塩セット”とかぬかしやがったのは聞かなかったことにしておこう)
そんなわけで、プロツアーも気になりますが、毎年恒例!殿堂投票の季節がやってまいりました。
http://magic.wizards.com/en/protour/hof/2014ballot
2005年から始まっているこの制度ですが、今年はまっきーの殿堂入り大チャンスイヤーなこともありますし、今回は「特集の特集」として、2014年の殿堂メンバーに選ばれそうな人達を何人かピックアップしてご紹介したいと思います。ここでは書いてないですがうちの旦那もよろしく!(ロビー活動)
プロシーン黎明期にて一世を風靡したYour Move Gamesの元メンバーで、現在はChannelFireballのメンバーとのこと。
プロツアーデビューは2002年のPT大阪。2009年のPTホノルルでのベスト4入賞を皮切りに、うちの旦那と同じくほぼ年1~2回ペースでプレミアイベントにて成績を残している強豪でございます。
色々と見ていると、旦那とリーツェルの2人に投票をする人が多い模様。
日本では「カレー屋」というアダ名と、物静かな佇まいの青系デッキの使い手で知られております。
4つのプロツアーでの入賞(うち一つは優勝)経験があり、2010年の世界選手権でも準優勝という文句なしの成績を収めている強豪です。
が、新たなるファイレクシアのスポイラー流出事件の当事者の一人となってしまった彼は、18ヶ月のサスペンドを受けており、2010年の初ノミネートから現在に至っております。
プレイヤー委員会側として投票権を持つ人達の支持率は高いようですが、新たなるファイレクシアのプロモーションで、悪い意味での影響を与えてしまった事についてウィザーズの中の人達がどう見ているのかが得票率に大きく関わりそうです。
日本人のマジックプレイヤーは知らない人はほぼ居ないであろう御仁。
プレイヤー、そして経営者として我が国のマジック・コミュニティに多大な貢献をもたらしております。
2010年には殿堂に選出されていたものの、直後に18ヶ月のサスペンドを受けたことで、選出は取消し。そのニュースは世界中に大きな波紋を呼んだのは記憶にあたらしいことと思います。
功績も大きい反面、過去に3回もの失格処分、そして18ヶ月のサスペンドを2回も受けているという事実は、彼に対する目を非常に厳しいものにしていると思われます。
なかしゅーと一緒に世界中のグランプリやプロツアーめぐりをしている姿をよく見ていることと思います。
彼もなかしゅーと同じく「Play the Game,See the World」を体現するプレイヤーであると言っても差し支えないでしょう。
惜しむらくは戦績面。グランプリでのタイトルは数多くあるものの、プロツアーにおける入賞はトップ8が2回と、名だたる先達と比べるのもアレな話なのですが、なんだか少し物足りなさを感じてしまいます。
デッキビルダーとしても世界的に有名ですね。
高いプレイスキルとデッキ構成力は、日本でもトップクラスですが、戦績面でのタイトル数の少なさ(プロツアー入賞1回・グランプリ優勝1回のみ)という点が、得票で大きく引っかかっているところでしょうか。
それでも、現時点でリアルと電脳世界両方でのPoYを獲得している唯一のプレイヤーという事実は、殿堂のメンバーにふさわしい実績を挙げているのも確かなのです。
千葉LMC勢より3人の若手が出場予定ということで、同じLMC勢にとってはいつもより見どころのある今回のプロツアー。
更に2013-2014シーズン最後のプロツアーでもありますので、その他のプロたちの動向(プロプレイヤークラブ的な意味で)も注目のトーナメントでもあります。
若手3人と、うちの旦那が悔いなく戦えるよう、当日は熱ーい応援をよろしくお願いします!
コメントをお書きください
義 (土曜日, 19 7月 2014 08:48)
今回も読み応え抜群でした!
PTで、LMC勢の躍進を期待しております!
ちゃずむ (月曜日, 21 7月 2014 20:55)
>義さん
コメントありがとうございます。
今回も楽しんでいただけたようで何よりです。
若衆にはGPやPTQとは違うプロツアーのあの空気を是非堪能して欲しいと思います。
一緒に応援させて下さい!d(^_^o)